お役立ちコラム

2021.08.10

親が元気なうちに確認したい5つのこと

《親が元気なうちに確認したい5つのこと》
親が、元気なうちに家族で話しておくべきことをまとめてみました。
遠方に住んでいる親は、なかなか状況がわからないことも多いのはないでしょうか?
同居されていても、今更聞けない事もあるかと思います。
突然、倒れた。認知症になった。亡くなった。などが、いつ起きるかはわかりません。
「元気な時に聞いておけばよかった」と後悔されることがないように、親子で、考える機会があると安心です。

1.現在の健康状態の確認

①既往歴、服薬、かかりつけ医等の情報の共有
アレルギーや治療上注意すべき事柄なども確認しておきましょう。
健康保険証、おくすり手帳、病院やクリニックの診察券など置き場所も共有しておきましょう。
認知症など、当人との意思疎通が困難な状態での通院が必要になることもあります。
年齢と共に衰えていく、身体の心配事も把握されておくと安心です。

②自動車運転免許の返納
高齢による運動能力や判断能力の低下は、本人ではなかなか判断ができにくいところがあります。
客観的に家族が判断していく事も大切です。
クリニックや病院、生活圏への交通機関・自治体の支援制度(タクシーチケット助成制度等)も確認しておきましょう。

2.お墓や葬儀の考え

①お墓のこと
お墓がある場合は、お寺や霊園との付き合いを共有しておきましょう
お墓がない場合は、お墓を建てるか、納骨についての考えを確認しましょう。
遠方にあるお墓や、引継ぐ親族がいないなど、墓じまいを行う方も増えています。
維持管理が掛かるお墓のこと、親子で話しておきたいですね。

②葬儀のこと
どんな葬儀を希望されてますか?規模や予算の確認をしておきましょう。
生前に葬儀会社の会員契約をされている方もあります。
葬儀会社の連絡先や葬儀の際に呼ぶ親族や友人のリストを作成しておきましょう。
宗派、宗教、戒名に関する希望なども確認しておきましょう。
親の希望や考えを事前に話し合っておくとよいでしょう。

3.両親の将来の意向

高齢になった時、夫婦だけで住み続けるのか、同居を希望されるか、どのように考えてますか?
どちらかが亡くなって、ひとりになった時にどこで住みたいと希望されていますか?
もしも、介護や認知症になった時には、どこで生活したいですか?
重篤な病気に罹った時、どこまでの治療を望んでいますか?

親御さん当人の意向はもとより、兄弟姉妹の意向も確認しておくことが大事です。
急に判断を求められた時に、親の意向やあなたと、兄弟姉妹の考えが違いトラブルになることもあります。
認知症や重度の後遺障害などで、正常な意思の疎通ができなくなった場合、延命の意思、終末医療に関する本人の意向の判断に困ることになります。
兄弟姉妹の中には、延命か否かなど意見があわないことも出てくるでしょう。
トラブルと起こさないためにも、高齢の親の今後の生活や病気・介護こと、兄弟姉妹とも事前に話し合っておきましょう。

4.お金のこと

①老後生活資金・介護時の資金準備
親の預貯金や資産を全て把握することは難しいかもしれません。
しかし、今後の老後生活費や介護になった時の費用など、どのように考えているかを確認しておきましょう。
費用が足りないと想定される場合は、自宅を担保にして資金にすることや兄弟姉妹で負担するなどの対策が必要になってくることもあります。事前の話し合いをしておきましょう。

②認知症や重篤な障害になった時
誰にお金の管理をしてもらいたいと希望されますか?
公的年金や預貯金、不動産管理など、誰に任せるかも事前に決めておきましょう。
後々にトラブルにならないように、兄弟姉妹の了承も得ておくことが重要です。

③加入生命保険の把握
保険会社・保障内容・担当代理店(担当者)・連絡先など。
医療保険や死亡保険に加入されていても、入院給付金請求や保険金請求は、ご請求がないと受け取ることが出来ません。どんな保障に加入されているのか、事前に把握しておきましょう。

④保有株式・有価証券、不動産、動産の把握
●株式・有価証券
●不動産、動産(宝石・骨とう品など)
●その他金融資産(非上場株式や会員権など)
保有内容を把握していないと、相続時に引継ぐことが出来ないことがあります。
誰に何を引継ぎたいのか、親の意向を確認しておきましょう。
特に自宅などの不動産や自社株など、特定の親族に引継ぎたい相続財産がある方は、他の相続人が納得できるように事前の相続対策が必要です。

⑤借入金・貸付金の有無や保証人
●借入金の有無
●貸付金の有無
●他人の借金の保証人の有無

死亡後、3ケ月以内に単純相続・限定承認・相続放棄の選択を決めることになります。
親が、高額な他人の借金の保証人になっていたら・・、単純相続を選択すると、相続人が保証人を引継ぐことになります。プラスの財産だけでなく、マイナスの財産の把握も大切です。

⑥相続人の範囲
●誰が相続人になるか確認しておきましょう。
●前妻の子、認知している子はありませんか?
家族関係が複雑だと、相続時にもめるリスクが高くなります。
●内縁関係の方はありますか?
●特定の方に遺産を残したい方はありますか?
介護などで世話になった息子の嫁など、相続人以外の方でお渡ししたい方

⑦遺言の有無も確認しておきましょう。

⑧相続対策
相続対策が特に必要な方
◆子供のいない夫婦
◆再婚、前妻に子がある夫婦
◆主な相続財産が不動産の方
◆相続人が仲が悪い方
◆共有名義の不動産がある方
◆自社株を持っている経営者の方
もめる可能性が高くなる方です。
相続財産を把握して、生前に対策をされて下さい。

5.親の人生・家族に対する思い

①どんな人生を送ってきたのでしょうか
人生の中で、苦労されたことや嬉しかったこと。
子供のころ。お仕事のこと。
配偶者との思い出や家族との思い出。など

②家族への思い
死亡後の気がかりに思っていること
残された家族に伝えておきたいこと
親が大切な家族へ伝えたい思いを聞く機会になります。
親の生き方や思いを聞くことで、親族間のトラブル回避にも繋がります。

《親が元気なうちに確認しておく5つのこと》

「認知症や重篤な障害状態」「親が亡くなった後」では、親の意向を確認することが出来ません。
延命は望まない方に、意向を知らず、延命治療を行うことになるかもしれません。
子供から親の今後の医療や介護だけでなく、お金に関わる話はなかなかしずらいものです。
1から3項目の話しやすい事柄から共有し、4項目「お金や相続に関わる」踏み込んだ話まで共有できることが望ましいです。
親子の話し合いの場に長男夫婦だけが聞いたということにならないようにしましょう。
兄弟姉妹などの親族(相続人)も同席し、事前に親の意向を把握することで、不要なトラブルが回避できることに繋がります。
いざとなった時に、困らないために親が元気なうちに、親子で一緒にこれからを考えておきましょう。